はじめに(起業にあたり)
Tech Blogと表題を打ちながら、早速逸脱した内容で記事を書くことをお許しください、、
今回もともと起業することは考えていましたが、具体的な準備に取り掛かったのが2023年9月であり、
弊社が設立できたのが2023年11月1日になるので、約2か月間の準備という形でした。
その間、私はまだ在職中の身であり、週3日で働いていた(いる)こともあるので土日を入れた週4日での準備状況でした。
もちろん、起業にあたりお金を支払って企業サポートいただく手もありましたが、
一生に一度となるやもしれない貴重な機会だったので、様々なことを調べて検討するのは単純に良い体験でした。
そんなこんなで、とりあえず備忘録的な意も込めて、起業の準備を記載しておきます。
これから起業を考える人にとって参考なる内容であれば、とても嬉しいです。
本格的な準備(9月前)からの事前決定事項
- 合同会社ではなく、株式会社で法人を立てる
- その時点で合同会社を選択する必要性がなかった、将来的にも会社を大きくしたい
- 設立時点では複数人ではなく、1人で起業をする
- 共同創業者を探す時間がなかった & 準備と書類周りの手間が一部増えることを考えると後で良いと考えた
- 資本金の確保
- これは100 - 500万円のレンジで考えていたので、その額はあらかじめ抑えていた
- 会計期における期初の観点
- IT的なビジネスを行うにあたり、明確な繁忙期があるという形ではないと思っているが、一般的な企業における2-3月あたりの忙しさと、先方の予算を確保しやすい & それが早い段階で見えると辞自社の見込みを立てやすいという観点から、少しタイミングをずらそうと考えていた
📅 Week 1 ~ Week 3
起業の全体概要を知る
- まず情報を集めるところからスタート、その上でマネフォやfreeeの企業準備を読み漁った
- Web上の会社設立の基礎知識、書籍の起業時代vol1などが分かりやすい印象(起業時代volが複数あるけと最新を1冊で十分かな)
- 内容としては最速2週間で起業できるという記載もあり、そのスケジュール感を具体的にプロットして、それぞれを考えていく作業に入る
マネフォ or freee の選択
- 自分での起業準備を進めるにあたり、どちらをメインで使うか決定する
- 私の場合だと、マネフォを選択。これに関しては正直明確な理由はない。
- キャンペーンなどはどちらもやっているし、起業後のサポートや利用サービス斡旋、月額の使用料も対して差はない
- マネフォの辻さんがpodcastで話されているのを聞いて、サービス的に使ってみたいと思っていたとかそのレベルで決定(ALL STAR SAAS だったか)
会社名
- 会社名については、弊社のAboutページにある通り、Roundaboutから着想を得ている
- 打算的な話で行くと下記の観点などがあるかもしれないが、しっくり来る名前で維持が高くなく、馴染みがあるドメインが取れればそれで良いと思う。
- ドメインが取りやすい
- 商標登録がない
- Googleの検索Hit数として少ないほうが良い
- 個人的には、具体の名称より4文字程度にすることにこだわった。個人的に馴染みが深い会社に4文字が多かったこともあり、覚えてもらいやすいのかと。
ロゴ
- これはソーシャルワーカーなどにいくつか依頼するのが良いと思う
- 私は自分で考えてみたいを思って取り組んでみたが、それなりに時間を浪費した(個人でのデザインの限界がすぐに見えている)
- canvaを使用したり、AIでの自動生成から着想を得てみたりしたが、結構厳しかった。
- あと地味に透過の画像を用意したり、リサイズをかけたり、背景に合わせて微妙にカラーコードを調整したり、と片手間でやるものではなかったという印象
- 私はいくつかの画像を見ながら、手書きでパターンを何個も書き出す形でやったが、センスがない人間が書き連ねても、センスは無かった
- 日本の家紋やRoundaboutの風景視点から着想し現ロゴとはなったが、見直したい対象とはなりそう
オフィス(登記する場所)
候補としては
- 自宅
- バーチャルオフィス(実作業不可)
- コワーキングスペース(固定席なし、ポストや登記場所だけ借りる)
- コワーキングスペース(固定席あり)
という感じで、こちらも散々迷った。メリットデメリットを考えると下記のような形。
| メリット | デメリット | |
|---|---|---|
| 1. 自宅 | 一番安く抑えられる、家賃やその他雑費をより経費できる | 自宅住所が一部公になる、引っ越しするときに面倒、管理会社やオーナーと交渉必要になるかも など |
| 2. バーチャルオフィス | 次点で安く抑えられる、都心の一等地を登記場所にできる、意図的に登記したい区を選択できる | 住所が他社と被る場合がある、銀行の審査などが厳しくなるケースがある など |
| 3. コワーキング(固定席なし) | 広範囲で複数拠点利用可能なプランだと、作業場所が絞られない、拠点がある場合でも仕事との切り替えがしやすい | フリー席ではあるので、作業の環境(モニターやPCサプライなど)を持ち歩いたり、諦める必要がある など |
| 4.コワーキングスペース(固定席あり) | 3の問題点を解消できるし、そのままメリットも享受できる | ただ高い、内見的なものも必要で希望のスペースが空いていないことも多い など |
- 最終的には 2.バーチャルオフィス(実作業不可) を選択した
- やはり作業にあたりPC環境は重要であるし、今後引っ越しをすることもあるだろうと考えると自然に2に至った。
- 4も魅力的であったが、初っ端から仕事とプライベートの切り替えができるほど余裕があるわけでもないし、やはり高い印象。複数人での起業の場合はより魅力的ではあると思う。
- その中でも候補としては、DMMバーチャルオフィス、GMOオフィスサポート、 レゾナンス、サーブコープあたりが挙がった
- それぞれの比較ポイントとして、「配達の転送における金額設計」「バーチャルオフィスとしてのオプション(会議室利用や電話代行)」「契約における特典」などなど
- 住所を調べれば分かることだが、上記から1社を選択して契約を行った。ちなみに年間契約で一番初めに出費したのがオフィス代である(住所は早い段階で記入を求められることも多かったので)
創業支援制度
- 助成金や補助金を調べている際に、「認定特定創業支援事業」というものを始めて知った
- 具体的には都の創業助成事業の場集要項を見ている際に目に入った
- メリットはいくつかあったが、特に下記は大きい
- 会社設立時の登録免許税の軽減(株式会社の場合15万円 => 7.5万円の半額になる)
- この時点でオフィスの契約は完了しており、渋谷区での登記が決定していたので、渋谷区での申請を調査した
- 渋谷区で認可いただける創業支援はこちらに記載があった
- 区でやっているものは、「先着順」「現在休止中」などであり、かつ結構な期間を要するものも多かった(2か月では収まらない可能性もあり)
- 私は上記リンクの中にある民間企業(銀座セカンドライフさん)が主催されている支援制度にお金を払って参加することに
- 創業費はなるべく抑えたい中で、5万円近く抑えられるのは大きい
補助金・助成金
- このあたりもそれなりに調べたが、現時点で早急に必要となる訳でもなかったので、見送った
- 都の創業助成を見ても採択率は4~8倍
- コロナ渦においては間口が広かったこともあり、直近はより厳しくなっているので準備と期間がそれなりに必要そう
法人登記のタイミングの確定
- 明確に決定はしていなかったが、前述の「創業支援制度」では数週間のセミナーを受講する必要があったので、この期間も踏まえると最速で11月という結論に至った
引っ越し
- 法人で部屋を借りること見越して住宅の問い合わせもこの時点で行った
- が、法人登記すらできていない状況ではさすがに門前払いレベルだった、、これは無知すぎた
個人の印鑑登録と証明書の発行
- 区役所または出張所で対応可能
- 10-15分くらいで終わり、カードを発行してもらえるので必要となればコンビニなどでも証明書を発行できるとのこと
📅 Week 4 ~ Week 6
法人登記における準備を進める
- 基本的にマネフォの会社設立のステータスを進めていく形
- 基本的には、入力してポチポチするだけなので、非常に楽で便利
- マネフォを進める過程で費用が発生しだすシーンとしては
- マネーフォーワードクラウドの本契約(これは1か月ほど試用期間があったはず)
- 電子公告の利用費(年間4千円程度、以前は上記プラン内だったようだが切り出した様子、面倒なので契約した)
- 法人の印鑑(ツゲ・黒水牛・チタンから素材が選べる、金額のレンジとしては、約8千円 ~ 3万円)
- 張り切って上記をどんどんを進めると、無駄に年間費用が出て行ってしまうので全体のスケジュールを見つつ契約するのが吉
電子定款
- 定款の目的に何を書くかで迷うレベルなら、この時点で無料相談などを挟んだほうが良い
- 私は「定款作成後、登記資料提出前」のタイミングで無料相談を入れたので、もう少し早めに相談しても良かったという印象だった
- マネフォの画面上だと定型文を選択して、ポチポチするだけで終えることもできてしまうのだが、しっかりと検討すべき
- 上場企業の定款目的を参考にするに定款目的ナビで近しそうな企業の目的をピックアップした
- マネフォのフォーム上から電子定款の作成依頼が飛び、行政書士の方に営業日数日で作成いただいた
- 納品いただいた定款をコンビニでコピーし、(動画)製本作業を実施した
- ちなみに法人登記までに一番足を運ぶことになったのはコンビニである
定款の認証
- 予約した(または行政書士さんに予約いただいた)公証役場に向かい、製本した定款を認証してもらう
- 時間としては20-30分程度
- 慣れない場所なので少し緊張した面持ちで向かったが、少し小さめの事務所という感じでスムーズに終わった
- 私が依頼した役場では、定款をスキャンしてもらったCD-Rもいただけたので、後で別目的で提出する際に役にも立った
- このあたりからまとまった額の払い込みが必要となってくるが、領収書をこれまでのノリで捨てないようにする(創業費の換算として)
- ちなみに、私の前後で順番待ちしている方や、役場に電話してきている人が皆外国人の様子だったので、インバウンド感を感じた
創業支援制度のセミナー受講
- 先で記載した通り、創業支援制度のセミナーを3-4週間ほど受講した
- といっても、オンラインの動画受講だったので、実際に赴いて長時間拘束されるわけでもなく今時の形態だった
- 内容としては下記のようなもの(特に改めて考える必要があるなと思ったもののみをピックアップ)
- 経営:創業にあたり、そのマインドや深堀、事業計画の必要性など
- 財務:月次収支計画・資金計画・資金調達/融資など
- 人材育成:ニュースリリースやPR、広告・商標など
- 販路開拓:ポジショニングマップ、売り方、自社HPなど
- 初めは1人で進める分、まだ良いかなと思っていた事柄についても見直す機会にもなり、その点は凄く良かった印象がある
- ただしどの業態や業種に対して同じコンテンツなので、その点はざっくりとして区分けでも具体的なコンテンツも今後あればよいなと感じた
- これは「創業支援制度」として網羅すべきコンテンツ次第なのかなーという感じですが
セミナーを受講しての作業
- 先のセミナーにあった「経営・財務」の部分をもう少し細かく資料に落とす必要があると感じた
- 具体的には「月次履歴計画書」「月次収支計画書」を3か年ほど検討した
- 日本政策金融公庫にあるフォーマットに項目を少し追加して記載した覚えがある
- 整理しておきたいこととしては「着地想定」「支払と収益のタイミング」「新しいことを始めるタイミング」などなど
- 少し前に読んだ京セラの稲森さんの本でも、「長期的な計画より、とりあえず我武者羅に働け」というマインドだったなと(かなり意味合いは端折ってますが)
- あとこの作業を早い段階でやっておくメリットとしては、このあと相談するであろう税理士さんへの質問もより具体的な内容にすることができる
- 報酬まわりもそうだが、税金や人の雇い入れ(外部発注)のタイミングも含めて
📅 Week 7 ~ Week 9
ドメインの取得
rounda.co.jpを取得した。登記前なので、仮取得という形にはなるが利用が可能- 取得元としては「お名前.com」や「Xserver」などがあるが、大手であればそれほど変わらない気がする、ほぼ金額で「Xserver」に決定
- 複数のドメイン取得やドメインの取り扱い数でいくと、お名前.comのほうが良いと思う
- こういうサービス比較をすることが、結構数あったのだがマイベストを参考にさせてもらうことは多かった、ただし1位を選ぶことはあまりなかったかな
HP(コーポレートサイト)の作成
- これは現在も進行中であるが、ちょこちょこ構築を進めている
- STUDIOのようなノーコードツールを使えば、素早い時間で綺麗なHPができそうだったが、やはり自作したいなと
- 構成としては
Firebase hosting+Astro、で今CMSとしてこのBlog管理しているのはNewtという形- 初期はAstroなどを使う想定はなく、CMSなども使わない完全なhtml静的ページのみでいこうと思っていた。なので
Bootstrapをあてたのみ - だが、結局後に修正を加えていったので無駄にフォルダ構成が魔改造されてしまった。また余裕があればblogに認めたい
- 久しぶりにGithubのレポジトリ立てたり、デプロイまでの道のり考えたり、そのあたりは雑務が多い中で気分転換にはなったし楽しかった、ちなみにfirebaseのアクセスは限りなく少ない
- 取得したドメイン設定など、楽に設定できた(ただ少し反映に時間がかかる場合があるので焦ってはいけない)
- 初期はAstroなどを使う想定はなく、CMSなども使わない完全なhtml静的ページのみでいこうと思っていた。なので
創業支援修了の申請書をもらいに区役所へ
- 先の通り渋谷区にオフィスを借りたので、渋谷区役所に赴いて修了書を受け取る
- 受け取りにあたり、grafferのサービス/HPを経由して申請を行ったが、役所向け対応とは思えないくらい楽だった
- 渋谷区役所は立派な建物で、その中の観光課(たしか)にて10-20分くらいで発行いただいた
- 登録免許税の支払いは会社の登記申請時に行うものなので、その際に提出が必要となる
- その際に重要なこととしては原本の提出が必要とのことだった(複数枚の発行申請を依頼していたのだが、原本は1枚でその他はコピーという扱い)
資本金の払い込み
- 明確に銀行口座に資本金が存在することを示すために、証跡として提出する必要がある(登記申請時に)
- 私の状態としては通帳などを久しく記帳していない、オンラインバンクがメインという形
- なので口座を2行用意し、
個人のオンラインバンクから個人のオンラインバンクへの出金を行い、その証跡を提出資料としてコピーした- この時点で何度もコンビニに走っているわけで、スキャンもできる大きいコピー機を本気で買おうか迷った
登記申請書類の作成
- 会社登記(株式会社が正式に設立される)にあたり、最終の提出書類となる
- マネフォの場合、ひな形をダウンロードし、製本と押印署名のみで対応できる
- ただ今回、創業支援を受講したのでテンプレートから一部文言を修正し、提出する必要があった。(免許税が15万円となっている部分を7万5千円に書き換える)
- マネフォ側のQAにも記載があった通り、テンプレートがPDFのため、法務局が提供するテンプレートを書き換えて提出する必要がある
- ここまで来ると設立まであともう一歩!という感じ
Google Workspaceの登録と利用
- これは正直あまり他を調べなかったというのが実状
- LLM周りのビジネスのことを考えると、Microsoftベースのワークスペース(Outlookなど)を使うべきだったかもしれないが、馴染みがあるものになった
- プランは、
Business Standardで年間契約という形 - メールサーバ周りの設定もfirebaseの時同様に楽に完了
名刺の作成
- ラクスルとかプリントパックなど、安価で発注をかけられる
- 大手で一番種類が豊富にありそうだったグラフィックを選択し、早速デザインを決めて発注依頼
- 結果としてはちょっと居酒屋っぽいカードになったが一旦は配りきって見直しをかけられればと...
税理士さんとの面談
- 詳しい内容は割愛するが、
マネフォ経由と税理士ドットコム経由で複数社さんの面談を実施した - 初回面談の税理士さんから税理士さんを判断するポイントを教えてもらうという蛮行に至ってしまったわけだが、その際教えていただいたこととしては
- 明朗会計であるか(顧問料が安すぎる場合、実際はオプション費用が乗っかってくる可能性あり)
- 税理士事務所のサイズに対して抱えているクライアント数、また1人あたりまたはチームで見ているクライアント数(40-50くらいになるとシャカリキ感があると)
- あとは人柄や雰囲気、取り扱っている業界業種など(これはフィーリングもあるかなと)
- 面談を通して話もまとまり、具体的に依頼するところまで至れた
- ちなみに、税理士ドットコムさんがどこから収益を上げているのか疑問に思うほど、フォローいただけた(仲介の手数料などはなし)
登記申請 => 登記完了と書類取得
- 渋谷区の法務局はおそらく昼前が混むんだろうなと思い、朝一の11月1日の8:30すぎに提出
- 提出時に収入印紙が免許税分必要となるが、法務局の窓口で買える(ただ資料提出窓口と購入窓口は違うので事前に購入する)
- 提出は5分くらいで完了する
- 提出書類を細かく見るという形ではなく、形式がそろっているかだけのチェックの様子、創業支援修了書が原本であるかは窓口でもチェックされた
- 登記完了にあたりは2週間程度かかるとのこと、また完了の通知もないので電話で問い合わせてほしいとのことだった
- 実際に登記完了したのはおそらく11/9(木)あたりで、ちょこちょこ法人番号の払い出しをサイト確認していた
- あと、後続の作業に向けて登記謄本(履歴全部事項証明書)や法人の印鑑証明を取得する必要があるのだが、謄本についてはネットでも楽に取れそうだったので、サイトから弊社が取得対象になっているか(つまり登記が完了しているか)を見ていた
- 登記完了がされていることを見計らって再度法務局に赴き、法人の印鑑証明書カードと各種書類を発行してもらった
これ以降について
- 現在ongoingなものもあるが
- 税務署への申請(税理士さんに依頼)
- 年金事務所への申請
- 銀行口座の開設(2行ほど申請)
- クレジット発行(マネフォカードと迷ったが、UPSIDERに)
- 物件探し(拡張性のある形にしたい)
- これからまだ1-2か月と初期の決算あたりはバタバタしそうだが、これも経験するしかないという形
まとめ
事業に関して考える時間などは除いていますが、雑務や会社の体裁を考えることにもかなり時間を使ったなという印象です。
ただこれから始めていく会社に対して、どうでもいいことも含めて考えを巡らせることは有意義な時間だったかと思います。
ちなみに上記過程で発生した費用(資本金と税理士さんの顧問料除く、サブスクは年間一括支払いも含む)でいくと
約24 -25万円 という初期投資費用でした。その点はそれなりに抑えられたと思います。
技術的な発信もしつつも、ビジネス的な思考や雑記もこちらに記載してければと思いますので
株式会社Rounda共々、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。



